指標トレードの実例:ゴールドを動かしたのはどの指標発表か(第5回)
指標トレードの実録。9月29日の指標発表を1分単位で記録。RBA政策金利の利上げは続かず、JOLTSと米消費者信頼感指数でゴールドは1時間で+12.9ドル。プロップファーム口座は−364ドル。
9月29日(火)、その日いちばん注目された指標発表、オーストラリア準備銀行(RBA)の利上げで、豪ドル/米ドルは1分で12.9pips上昇しました。ところが夜には約30pips下落していました。反対に、重要度「中」の米国指標2つで、ゴールドは1時間に12.9ドル上がりました。
指標トレードを考えるなら、この対比がいちばんの教訓です。以下の反応はすべて、自分の経済指標カレンダーのデータから1分単位で測ったものです。これは30万ドルのプロップファーム口座のトレード日記の第5回でもあります。第4回では「ルールを1週間守れたか」を報告すると約束しましたが、2敗ルールは1日でまた破れました。この日の指標、各市場の反応、私の5回のトレード、指標発表の前後で今後どうするかを順に紹介します。
要点
- 2026年9月29日、RBAは予想どおり政策金利を4.35%から4.60%に引き上げました。豪ドル/米ドルは1分で+12.9pips、しかし1日では約−30pipsでした。
- パリ時間16:00(日本時間23:00)、米消費者信頼感指数(81.9、予想89.2)とJOLTS求人件数(708万件、予想723万件)がそろって予想を下回りました。
- 重要度「中」のこの2つの指標のあと、ゴールドは1分で+6ドル、1時間で+12.9ドル、値幅は17.7ドルでした。
- 口座残高は287,514ドル。下限282,000ドルまでの余裕は5,514ドルで、この日は5回のトレードで−364ドルでした。
- 「2敗したらその日は終了」のルールは12:46に破れ、5回とも1回375ドルのリスク上限を守れませんでした。

米消費者信頼感指数とJOLTS求人件数が同時に発表されたあとのゴールド(パリ時間16:00、日本時間23:00)。
2026年9月29日の指標発表
この日の経済指標カレンダーには、重要度「高」の指標が2つ(どちらもオーストラリア)と、16:00の米国指標がありました。時刻はすべてパリ時間です(日本時間はプラス7時間)。
| 時刻 | 指標 | 重要度 | 予想 | 結果 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 03:30 | 豪消費者物価指数(前年比) | 高 | 4.1% | データなし | 3.5% |
| 06:30 | RBA政策金利 | 高 | 4.60% | 4.60% | 4.35% |
| 13:00 | ラガルドECB総裁の講演 | 中 | なし | なし | なし |
| 14:30 | カナダ月次GDP | 中 | 0.0% | 0.0% | 0.4% |
| 16:00 | 米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) | 中 | 89.2 | 81.9 | 88.6 |
| 16:00 | 米JOLTS求人件数 | 中 | 723万件 | 708万件 | 734万件 |
豪消費者物価指数の結果は、この日の私のデータに入っていません。そのため予想との差は書けず、市場の反応だけを載せています。
RBA政策金利:予想どおりの利上げ、続かなかった動き
重要度「高」でも結果が予想どおりなら、価格はその瞬間に動くだけで、1日の方向は決まりません。RBAは政策金利を4.35%から4.60%へ、予想どおりに引き上げました。6:30の豪ドル/米ドルの反応です。
- 最初の1分で+12.9pips
- 最初の1時間の値幅は23.6pips
- 1時間後は+11.3pips
それでも1日を通すと、豪ドル/米ドルは0.7017から0.6987へ、約30pips下げて終わりました。3時間前の消費者物価指数への反応はさらに小さく、1時間後で+6.5pipsでした。
カナダGDP:予想どおりで0.7pips
カナダの月次GDPは予想どおり0.0%でした。米ドル/カナダドルは最初の1分で0.7pipsしか動いていません。結果が予想と同じなら、市場はすでに織り込んでいるので、トレードする材料はほとんどありません。
なぜ重要度「中」の2つの指標でゴールドが動いたのか
予想を外れ、しかも同じ方向に外れたからです。16:00、米消費者信頼感指数は予想89.2に対して81.9、JOLTS求人件数は予想723万件に対して708万件でした。弱い数字が2つ同時に出ると、米国景気の減速のサインと受け取られます。ゴールドは上昇しました。
- 最初の1分で+6ドル
- 15分後に+8.8ドル
- 1時間後に+12.9ドル、値幅は17.7ドル
どちらも重要度は「中」です。それでもゴールドでは、この2つがこの日の決まった時刻の本当の動きを作りました。重要度だけでは判断できません。大事なのは、結果と予想の差です。
この日のゴールド:前日の急落からの反発
前日の28日(月)、ゴールドは大きな指標がないまま約155ドル下げていました。火曜日はその約4割を取り戻しています。
| 始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 4,118.75ドル | 4,113.45ドル | 4,185.21ドル | 4,181.45ドル | 約+63ドル |
反発は16:00の指標よりずっと前、昼前から始まっていました。指標はその動きを速めただけで、きっかけではありません。
プロップファーム口座:5回のトレードで−364ドル、またルール違反
口座は282,000ドルを下回ると完全に終了します。今夜の残高は287,514ドル、余裕は5,514ドルで、昨日の5,878ドルから−364ドルです。5回ともゴールド、すべて2ロットでした。
| 時刻 | トレード | エントリー | 決済 | 損益 |
|---|---|---|---|---|
| 10:14 | 売り2ロット | 4,140.63 | 11:46に損切り | −1,210ドル |
| 11:56 | 売り2ロット | 4,144.37 | 12:46に損切り | −1,544ドル |
| 13:05 | 売り2ロット | 4,154.24 | 13:07に手動決済 | −92ドル |
| 16:51 | 買い2ロット | 4,167.34 | 16:57に利確 | +696ドル |
| 17:12 | 売り2ロット | 4,162.79 | 18:28に手動決済 | +1,786ドル |
| 合計 | −364ドル |

ごまかさずに振り返ります。
- 朝、上がり始めた相場に売りで向かいました。 前日は一日中売りがうまくいきましたが、火曜日は流れが変わっていました。最初の2敗で2,754ドルです。
- 「2敗で終了」のルールがまた破れました。 12:46の時点で2敗していたのに、さらに3回トレードしました。合計ではプラスでしたが、そのせいで間違いが見えにくくなるだけで、軽くなるわけではありません。
- 1回375ドルのリスク上限は一度も守れませんでした。 2ロットでは、ゴールドが1ドル動くごとに200ドルです。375ドルで損切りするなら値幅は2ドル未満で、ゴールドには狭すぎます。直すべきは損切り幅ではなく、ロットです。
- 損切りを付けて注文したトレードは1つもありません。 損切りはあとから設定しました。会社の5分ルールの範囲内ですが、自分のルールには反しています。
うまくいったこともあります。16:00の前後ではトレードしていません。指標後の最初のトレードは51分後、動きがはっきりしてからでした。
ペーパートレード:まだ回数が足りない
前日の高値・安値ブレイク戦略は、火曜日はシグナルなしでした。ゴールドは月曜の安値(4,110.89ドル)と高値(4,275.11ドル)の間にとどまりました。成績は変わらず4回、1勝、+1,399ドルです。
自分のロットで紙の上だけ追っているシグナルチャンネルTRADE CRAFTは、17:26に4,152.87ドルで売り、18:44に利確して+598ドル。成績は11回、勝率55%、−2,082ドルです。どちらも判断できるだけの回数がありません。100回ほど必要です。
プロップファーム口座で指標トレードをするときの考え方
重要度より結果と予想の差を見ること、そして良いトレードを探す前にロットを下げること。9月29日から学んだことです。
- 重要度「高」でも予想どおりの指標(RBA)は、短い動きで終わることがあります。
- 重要度「中」でも同じ方向に外れた2つの指標(消費者信頼感とJOLTS)が、その日の本当の動きを作ることがあります。
- 指標発表の前後10分ルールは、重要度「高」だけが対象のことが多いです。 私の口座では、重要度「高」の指標の前後10分はトレード禁止で、その間に約定する指値・逆指値注文も含まれます(第2回で7つのルールを解説)。16:00の指標は対象外でした。自分の会社の契約を確認してください。
- 下限に近いときは、どのトレードを選ぶかよりロットのほうが大事です。 2ロットの損切り2回で2,754ドル、余裕のほぼ半分を失いました。
こうした時間帯を見逃さないよう、私のスクリプトは毎朝Forex Calendar Proの経済指標カレンダーAPI(自分のサービス)を読み込み、各指標の重要度・予想・結果を取得しています。
よくある質問
RBAは2026年9月29日に利上げしましたか?
はい。オーストラリア準備銀行は政策金利を4.35%から4.60%に引き上げ、市場予想どおりでした。豪ドル/米ドルは直後の1分で12.9pips、1時間後に11.3pips上がりましたが、1日を通すと0.7017から0.6987へ、約30pips下げて終わっています。
2026年9月29日にゴールドが上がったのはなぜですか?
ゴールドは前日に約155ドル下げたあと、昼前から反発していました。そこへ16:00、米消費者信頼感指数(81.9、予想89.2)とJOLTS求人件数(708万件、予想723万件)が予想を下回りました。ゴールドは1分で6ドル、1時間で12.9ドル上がり、1日では約63ドル高で終わりました。
重要度「高」の指標発表なら必ず相場は動きますか?
いいえ。結果が予想どおりなら、市場はすでに織り込んでいます。9月29日のRBAの利上げは重要度「高」でしたが予想どおりで、動きは短時間で終わりました。同じく予想どおりだったカナダGDPでは、米ドル/カナダドルは0.7pipsしか動いていません。相場を動かすのはサプライズです。
指標トレードはプロップファームで禁止されているのですか?
契約によります。多くのプロップファームは、重要度「高」の指標の前後10分間、ポジションの新規・決済を禁止しています。その間に約定する指値・逆指値注文も対象です。私の口座では、対象は重要度「高」だけです。トレードする前に、自分の会社のルールを正確に読んでください。
ゴールドで損切り幅を狭めるより、ロットを下げるべきなのはなぜですか?
損切りが狭すぎると、ゴールドの普通の値動きですぐに引っかかるからです。2ロットでは1ドルの動きが200ドルになり、リスクを375ドルに抑えるには損切りをエントリーから2ドル未満に置く必要があります。ロットを下げれば、決めたリスクを超えずに、無理のない損切り幅を取れます。
前の回:FXのメンタルが試された日、勝ったのに最悪の理由。トレード日記のすべての回はブログにまとめています。
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